マー君は、お風呂上がりのタオルの使い方で、奥様に「怒り」の感情を持っていたと言います。
「怒り」はビッグワードですから、
その内容を少し詳しく教えてくださいと、質問しました。
「怒り」って何ですか?
その時の感情を「怒り」という言葉を使わないで説明してみてください。
とお願いしました。
長考の後、彼から発せられた言葉は、
「俺の事を、もう少し大切にしてもらえないか」。でした。
「自分の事をもう少し大切にして欲しい」。
これが、マー君の気持ちの深い所からくる叫びのようです。
その後、彼は「やべぇ、何だか泣きそうになってきた」とも言っています。
マー君は、何故、泣きそうになってきたのでしょう。
さっきまで怒っていた人が、今度は泣きそうになっちゃうなんて、不思議な感じがします。
少し、降りていきましょう。
人が誰かに対して怒っている時の事を想像してみてください。
その人は、相手を傷つける言葉をガンガン投げつけています。
エスカレートすると相手に暴力を振るうという所までいくことがあります。
でも、その怒りの深い所にある気持ちが、
「俺の事を、もう少し大切にして欲しい」という願望であったとしたら、
うーん。これは切ない。
人は、自分が大切にされていると感じる時、怒りなどしません。
穏やかな表情を浮かべ、周りの人に感謝の言葉を伝えているはずです。
自分の中に何か「怒り」の感情が沸き立ったら、
それは、自分が大切にしてもらえなかったからなのかも知れません。
反対に、誰かを怒らせてしまう事もあります。
出来ることであれば、そんな事態は避けたいと思いますが、人と人が接していれば、
それは少なからず起こることです。
その人が大切にして欲しいと思っている「何か」を、自分が大切に出来なかったからなのかも知れません。
と、ここまでサラッと書いてきましたが、
「ちょっと待ったぁ」が、掛かります。
相手が何を大切に思っているのかなんて、聞かなきゃ分かりませんよね。
そうです。
マー君は、お風呂上がりのタオルの「正しい使い方」を、敬愛してやまないじっちゃんから教わりました。
この事は、マー君にとってとても大切な事に違いないのですが、奥さんは、そんな背景事情は全く知りません。
だから、「そのタオルの使い方は間違っている」と言われた奥さんは、
訳の分からんイチャモンを付けられているかのように感じてしまいます。二人の話は全然噛み合いません。
もう一丁。
もうちょっと待った。
「大切」って、これビッグワードじゃございませんか。
そうです。
大切にするって、一体どういうことなんでしょうか?
これを先に考えておかないと、ダメなんじゃないの。
と、ロングインタビューは、今日も迷走気味に走っているのですが、
マー君は俄然面白くなってきてて、なかなか止めようとしてくれません。
今日はこの辺で。
続きは次回。