貸付金には相続税がかかってくる!

前回お話しした会社役員Aさんのお母様の、会社に対する貸付金は相続税の課税対象になり、相続人であるAさんは気が気ではありません。

debt_借入金

説明の便宜上、貸付金は3000万円としましょう。
対策としては4つあります。
まず、①お母様が全額債権放棄することです。
すると、会社にとっては債務免除益ということで当期に3000万円の益金となります。
過去9期に相応の繰越欠損金があれば相殺できますが、なければ法人税が課税されることになります。

そこで、②会社を解散(廃業)する方法があります。
会社を解散すれば債務免除益に税金はかからないという特例があるからです。

また、③貸付金を贈与するという方法もあります。
貸付金も現金や有価証券と同じ扱いですので、贈与税の基礎控除年間110万円までは非課税で贈与していけます。

最後に、④DESといい、債権者がその金銭債権を債務者(会社)の株式と交換する方法があります。
債権者のお母様にとっては、相続税の課税対象が貸付金3000万円から、自社株に変わることによる評価減が未知数ではあります。

Aさんの会社では繰越欠損金がなく、優良事業であることから、①と②を選択されることはないでしょうから、③か④になりますが、③は時間がかかり相続発生前3年間の贈与は持ち戻しになってしまうことから、④の有効性を探っていくことになろうかと思います。

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