廃業という選択肢は?
先日、先代から続いている同族企業の役員Aさんからご相談いただきました。
社長はAさんの亡兄の奥様(Aさんの義姉)で、役員は社長とAさんの二人で従業員はおらず、
実質Aさんだけが取引先への営業等実務をしており、社長はほとんど何もしていないとのこと。
そんな社長にも関わらず、発行済株式数の過半を社長が保有していることもあり、
会社のお金をAさんに何の相談もなく自分の役員報酬を増額する等使い放題。。。
そのことを戒めると社長は「廃業してもいいのよ!」とのこと。
優良事業なのでそんなことで廃業するつもりはさらさらないが、もし廃業するとしたらいくらかかるのか?とのことでした。
その会社には、金融機関からの借り入れはないですが、先代の役員貸付金をAさんのお母様が相続されており、そちらの精算が最優先になるとお答えしました。
また工場や設備等固定資産の取壊・処分・解体費用等(除却損)も必要になってきますが、
それらを賄うだけの資金がすでに会社にあるため、廃業はズムーズにできるかとは思います。
しかし、優良事業であればあるほど廃業は避けたいもの。
以前、65歳まで役員報酬が入る前提で作成したAさんのキャッシュフローも、
廃業となると一気に(収支逆転とまではいかないものの)崩れてきます。
同族企業は、関係性が近いからこそ我慢できないことも出てくるもの・・・気を付けたいものです。