アメリカ大統領戦後の新興国通貨
トランプ政権発足後、NYダウを筆頭に株式市場は好調です。2月27日時点で11日連続最高値更新をしており、過去の12日に並ぶ、追い越す勢いです。
金利も上昇ムードにあり、新興国通貨の値動きが激しくなっております。新興国は、いわゆる資源国家でもあることが多く、資源の選別、政治情勢などにより「買われる通貨と売られる通貨」に明暗が分かれております。
2016年11月以降〜2017年2月の対ドルの騰落率として、
ロシアルーブルが8%超、ブラジルレアル並びに南アフリカランドが5%超となっております。
BRICS(ブラジル、ロシア、中国、インド、南アフリカ)の中の3カ国の通貨が「買われて」おります。
原油の原産に伴い、原油価格の堅調なのがロシアルーブルを押し上げております。ロシアは2016年12月に1日あたりの産油量がサウジアラビアを抜いて再び世界一になり、2016年にはマイナスだったGDP(実質国内総生産)伸び率も2017年にはプラスに転じると予想されます。
鉄鉱石の価格上昇がブラジルの景気を押し上げ、金やプラチナを算出する南アフリカへの投資が増えております。
原油、鉄鉱石、金、プラチナなどを持つ資源国に資金が集まっております。
一方、「売られる通貨」を見てみましょう。
トルコリラは−14%超の資金流出です。トルコは2016年7月のクーデター未遂以降、非常事態宣言下にあり、大規模な弾圧でトルコ国内の経済が停滞しております。テロも頻発することから観光客も大幅に減り、外貨の稼ぎ手である観光産業が打撃を受けております。
他にも、マレーシアリンギ。ルーマニアレイ、フィリピンペソ、中国人民元など資金流出しております。
先行きが不透明、政治不安、インフレ圧力・・・このような環境下にある国、の通貨は資金流出となっている模様です。