新井兄弟って何者?【第四話】~兄弟そろって入塾~
兄弟二人で初のお酒を交わしてからも、それぞれ手探りで色々な本を手にし、セミナーにも足を運んだ。しかし、全てなんとなくしっくり来ない。そんな日々が続いて1年ほど経ったある日。
兄から「面白そうな塾があるらしいけど、一緒に説明会行かない?」と誘いがあった。
誘われた理由を何気なく聴くと、
ジル 「一緒に行こうと思った人が行けなくなって・・・。」
えーでー「あっ そう。(代打か?俺は・・・)」笑
まぁ~特に予定も無かったし、面白そうって事だったので一緒に行くことにした。
説明会当日の夕方、都内の雑居ビルの一室。
正直、入り口はあまり良い印象はなかったかな〜。笑
一番前の2席が空いていたので一先ず座った。
人も揃っていたので、小さな声で、
えーでー「アニキ、これ、どんななの?」
ジル 「ん・・・・・・。よく分かんない」
えーでー「・・・? よく分かんない? まじ?」
ジル 「うん(^-^)」 と嬉しそう。
えーでー「そう・・・。」
(おいおい、人を誘っておいて、笑顔でよく分かんないって、なんだよ!!)と、心で思った。
そうこうしている内に定刻になった。
説明の内容は、今までに感じたことのないワクワク感と納得感を味わい、心にグッと来るものがあった。
一人目の方の説明が終わり、二人目の説明に入った頃、面白そうだし学びが深そうだと感じたので、他の配布物を見ていたら、「半年間の塾」と「塾の費用」を見て愕然。(こりゃ〜無理だな〜)と心で思った。
その瞬間!! 目を疑う光景が入ってきた。目に飛び込んで来たのは、ジルの行動。
ひたすら、下を向いて一生懸命メモをしている。
えーでー(すげー、メッチャ書き残しているな〜)
・・・ ん? !(◎_◎;)
(ん! お・・・おい!)
えーでー(それって・・・申込書じゃないのか!!) ( ̄O ̄;)
兄の手元はノートでは無く、申込書だった。
ましてや説明の途中にも関わらず、申込書に個人情報を記入していた。
そして、兄は説明会中に申込書を書き終え、躊躇無く申込書を提出した。
もちろん、申込第1号!!
講師もビックリしたようで、手も震えていたのが印象的だった。
私は、「妻と話をしてから回答させて欲しい」と伝えた。
帰り道に、心がソワソワしていたので、聴いてみた。
えーでー「ねぇーアニキ。なぜ申し込んだの?」
「費用高くない?」
ジル「なんとなくワクワクして、良さそうって思ったから」
「費用??なんとかなるよ」
えーでー「なんかいい感じだったけど・・・」
ジル「一緒に受けようぜ!(^-^)」
えーでー「うん。考えるよ。(マジか!この人は!)」と正直驚いた。と同時にとてつもない敗北感を受けた。
この敗北感は、費用を見て諦めた自分の情けなさと、たぶん永遠のライバル?と思っていたアニキの決断力?直感力に負けた。と言うことだったと思う。
帰宅して、深夜の緊急家族会議。
説明会の内容を説明し、最後に挑戦させて欲しい旨を伝えた。
その年、第二子が産まれることもあって、経済的には苦しかった。にも関わらず妻は了承してくれた。
だけど、頬には涙が流れていた。
なぜ涙が流れたのかは、未だに聴けていない。