そもそもロングインタビューって何なの? その8
前回は、「そもそも、人は何故怒るのか?」という問いで終わりました。
結構、怒りっぽい人が増えているような気もしますしねぇ。マー君、どう思われますか?
心理学やカウンセリング系の本にあたれば、怒りの感情について詳しく書いてあると思いますよ。
確かに、「怒りの感情をどのようにコントロールするか」なんていうタイトルの本、結構ありますよね。本にあたるのもいいのですが、ロングインタビューの場ですから、ここは一般解ではなくて、
「マー君は何故怒るのか?」という、ここだけの問いにしましょう。
僕は何故怒るのか?ですか。そんなこと、今まで考えたことないですよ。
そうですよね。ご自分の感情の出現理由なんて、あまり考えないと思います。探索すると結構面白いと思うのですが、皆さん、自問自答だとすぐに飽きちゃうみたいです。
話を戻しましょう。もう一度お聞きしますが、タオル事件の時、マー君は怒っていましたか?
怒っていたと思います。
「俺は怒ってるぞ」ということですね。
はい。そうです。
じゃ、ここでは、その時の気持ちを「怒る」という言葉を使わずに、別の言葉で表現してもらえますか。思いついたままで結構ですから。
「おいコラ。ええかげんにせいや」の続きですか?
そんなところです(笑)。ガンガン行きましょう(笑)。
では、お言葉に甘えて。
そら、違うだろ。
タオルの使い方が違うだろ。
このことは、前にも何度か言ったはずだ。
床が水浸しになるじゃないか。
「怒る」という言葉を使わずに、別の表現にしてもらいましたが、今のお気持ちはどうですか?
うーん。なんか、どうも違うなぁという感じがしますねぇ。
こんな事を言っていても、自分が妻に伝えたかった本当の事は何一つ伝わらない感じがします。
俺が伝えたかったことは、本当はこんな事じゃないんだという感じでしょうか。
そうです。こんな事を言葉に出して言ったところで、どうにもならないだろうなぁと思います。
現実に、彼女との仲は、どうにもなっていませんし。
うーん。分からなんようになってきた。僕は、彼女に、本当は何を言いたかったのでしょう(笑)。
それ、探索しますか?
やりましょ。やりましょ。
じゃ、ちょっと違う話をしますね。
仮の話です。マー君と私がカフェに入ったとしましょう。空いているテーブルにつきました。お店の中は5割の混み具合。お店の方は、誰もがそれほど忙しくしているようには見えません。二人ともオーダーが決まりメニューを置きました。でも、お店の人が僕らのテーブルになかなか来てくれない。何となく遠慮がちに手を上げて合図を送るのですが、どうも気がついてもらえません。すみませんと小さな声を掛けても、何だかスルーされているような状況です。それで、例えば5分も待たされたとしましょうか。マー君、その時のお気持ちを言葉にしてください。
「おいコラ。ええかげんにせいや」ですか(笑)
別に笑いを取りにいかなくてもいいですよ(笑)
そういうわけじゃなんですが、この言葉がぴったりかなと(笑)
こんなカフェは実際には存在しないと思いますが、このシチュエーション。マー君、怒りますか?
そりゃ、怒りますよ。「どうなってんだこの店は」って誰だって怒りますよ。
そうですよね。では質問です。マー君は何故怒っているのですか?
何故って。だって、誰だって怒るでしょ。
そうですよね。誰だって怒る場面だと思います。個体差はあるでしょうが、怒りの感情が沸き立っても仕方がないよなぁという場面ではあると思います。
そうでしょ。
もう一度、伺いますよ。マー君は、何故、怒ったのですか?。
何故、怒りの感情が沸き立ったのでしょうか?
なるほど。話していただいたカフェの一件と僕ら夫婦のタオル事件には、背後に同じ構造性があると仰るわけですね。
まぁまぁ、そう深読みしないで(笑)。さて、どうですか。マー君は何故、怒るのでしょうか?
うーん。
今日はこの辺で。
続きは次回。