金ブーム〜賞味期限はいつまで〜
世界経済の不透明感から「金」の国際価格が上がり、
機関投資家・個人の購入も増えております。
このブームはいつまで続くのでしょうか。
田中貴金属工業が1~6月に売った金地金量は前年同期に比べ30%増えました。
金の国際指標であるニューヨーク先物は昨年12月の1トロイオンス1000ドル台半ばを底に上がり始め、
英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた6月24日は、15年1月以来となる1300ドル台に跳ね上がり、今も高値が続いています。
日銀がマイナス金利政策の導入を決めた以降も上昇し、材料によっては年内に1400ドルを超える可能性もあると言われております。
これまでの史上最高値は 11年9月の1923.7ドルです。
この上昇局面に影響しそうな材料は何でしょうか。
米国の追加利上げがポイントとなりそうです。
基本的にドルと金の価格は逆に動きます。
利上げはドルの魅力を高めるため、金は売られやすくなります。
11月には米大統領選があり、ドナルド・トランプ氏が勝てば金が急騰する可能性もありますが、
言動が読めない人物だけに見通しが立ちにくいかも知れませんね。
ただ、1300ドルを大きく下回るとの見方は少ないです。
それは、中国やインドによる金買いです。中国人やインド人は宝飾品として金を好みます。
また、見逃せないのが中央銀行の金買いです。
8月上旬時点で世界の公的機関が持つ金は3万2800トンと5年前に比べ6%近く増えています。
中国、ロシアなどの新興国が、自国通貨の信認を守るため外貨準備として金を積み上げております。
人類がこれまでに掘り出した金の量は18万トン余り。
五輪の公式プール4杯分に満たないと言われております。
古代から金はその希少性ゆえに「守り」の資産とみなされてきました。
将来への不安を背景に、投機筋から中銀まで金を求める状況は、まさに金投資の本質を示しております。
この金ブーム、いつまで続くのでしょうか。